大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)3449 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人A弁護人豊田求の上告趣意は後記書面のとおりである。

同第一点について。

所論は、原判決が憲法三一条に違反すると主張するのであるが、その実質は訴訟

法違反を主張するに帰着する。なお所論について調べて見ると、第二審判決は「原

判決摘示の証拠就中(4)に掲記の証拠によれば……」と判示しているのであつて、

(4)の証拠のみを挙げたのではない。そして第一審判決の挙げている全証拠特に

(1)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(証人Bの供述)等を合せ考えれば、

(2)の犯罪事実を認められないことはない。また所論は判決挙示の証拠に酒精度

の証拠がないから判示(2)の犯罪事実を認めることはできないと主張するが、酒

精度の証明は必しも鑑定によることを要しないばかりでなく、改正された酒税法六

〇条二項は、未遂も既遂と同様に罰することを定めているから、少くとも焼酎を製

造する目的をもつてその手段を終了した以上、仮にその製品が完成しなかつたとし

ても、(2)の犯罪事実の可罰性になんら影響はない。従つて論旨は理由がない。

(なお改正前の酒税法による事件について昭和二四年(れ)第八六〇号同年七月一

六日第二小法廷判決、集三巻八号一三三三頁、昭和二四年(れ)第三一六二号同二

五年五月二三日第三小法廷判決、集四巻五号八五〇頁参照)

同第二点について。

所論は、原判決の憲法三八条違反を主張するのであるが、原判決は、第一審判決

の判示した(2)の犯罪事実につき、前記第一点において説示したとおり、第一審

判決挙示の証拠を合せてこれを認めることができる旨を判示したのであるから、原

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判決が被告人の自白のみを証拠としたという所論はすでに誤つているのであつて、

憲法違反の主張はその前提たる事実を欠くこととなり、とることはできない。その

他記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和二七年一二月九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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